コロナ禍のつわりと夫
逃げ恥ではコロナ禍の出産と育児が取り上げられていた。
娘を身籠った時、まさにコロナが蔓延して人びとは恐怖の最中にいた。
私がつわりでベッドで一日中横になっている時に、全国で一斉に休校となり、夫は在宅に切り替えた。
つわりがとてもつらくて、何を食べていたかも、何をしていたかも、夫がその間どうしていたかもほぼ記憶にない。
まあ妊娠する前に鬱で伏せっていたのもあって時期自体が曖昧となっていたこともあるし。
コンビニのにおいも冷蔵庫のにおいもダメ。
トマトジュースも飲めるものと飲めないものがある。炭酸水で吐き気を誤魔化していたような。
冷凍のたこ焼きを食べたり、おわんカップ麺?を食べたり。やはりマックは偉大…とそこまでは覚えてる。マックは遠かったので義父に車を出してもらい夫は買いに走ってくれた。
そんなこんななので、つわりがとにかく辛い、ということだけ頭に刻まれているからか、次に妊娠をしたいと思っても、陣痛よりも出産時やその後の痛みよりもつわりが嫌だ。
コロナ禍の出産と夫
春に始まったつわりも終わり、夏が来て、コロナはさらに猛威をふるった。
私たちは大きな決断をして、私の実家へと向かい里帰り出産をすることに決めた。
コロナ禍ということもあり、通常よりも早めに実家の県内に入らねばならなかった。
お見送りしてくれた夫の表情は未だに忘れられない。
また、出産の日を迎えた時、夫と途中までLINEしてやりとりしていたが途中から陣痛を逃すため&いきみ方の指導があり連絡を絶ってしまった(というか余裕がなかった)ので、夫は相当動揺したみたい。
出産を終えて、看護師さんが私の携帯を渡してくれた。ビデオ通話をして娘の様子を見た。
みくりたちは出産は立ち会いできたものの、育休の最中にコロナに見舞われみくりたちは実家に「疎開」した。
我々は出産の立ち会いもできなければ、その後会うこともままならず、結局産後一週間して退院したタイミングで、夫は実家へと新幹線に飛び乗り、娘と面会し近所の宿泊施設に泊まる。
次の日も会ってから帰ったが、往復8時間かけたのに、娘と会えたのは一時間も満たない。
私が会って号泣したのは言うまでもない。
コロナ禍の0歳育児と夫
娘が4ヶ月になって夫のもとに帰るも、私も私で鬱が再発して辛かったので、さらに娘が9ヶ月になってから2ヶ月ほどまた疎開をした。それまで本当に本当に私も娘も孤独だった。
段々と大きくなる我が子を抱えながら日中会えず、夜も休息が必要で、物理的に関わることのできないので、それよりも実家で過ごし、日中人との関わりがあった方が娘の教育上良いと判断したのだ。
苦渋の決断だった。
自分語りが長くなったが、自分たちとみくりたちを重ねざるを得なかった。
夫も平匡さんと同じように、我々と再会してからというもの、育児は母だけのものにせず、今まで会えなかった分、なんだか感覚が違くて寝られない娘を汗だくで寝かしつけた後ろ姿をふと思い出した。
コロナ禍の育児、とてもリアルに寄り添った作品だと言えると思う。
コロナがあろうとなかろうと子育ては孤育てになりやすい。ぜひとも、この機会を貴重な体験だと捉えて、孤独な男と孤独な女の育児にしないように社会的な支援が得られる方向に向かっていきたい。